複数のDefi、特にDEX でのイールドファーミング*1を試して私が見つけた傾向を記録しました。傾向にすぎませんが、今後の戦略を考える手がかりになることを願って、ここに公開します。
なお、特に私が重視していたことは
- 一定程度以上の利回り(目標年間利回りは20%以上)を得ること
- リスク管理に必要な時間を一定程度以下に抑えること
の2点です。
上記を実現するためには、まず第一に比較的信頼性が高く、トークン価格およびAPRの下落可能性が低いサービスを、比較的長期間(3か月程度~)利用することが必要だと感じています。
押さえておきたい原則
経験上、いくつかの法則性があると感じました。
- DeFiトークンの価格は下落する
より厳密に書けば、プライベートセール~開始初期 に価格が上昇し、一度下落が始まると、価格が戻る可能性は低いです。この傾向は、特に後述のリスクが大きい場合に顕著になります。 - ネイティブトークンでのファーミングはリスクが高い
ネイティブトークン絡みのペアまたは単品>BTC, BNB等の暗号資産のペアまたは単品>ステーブルコイン
の順にリスクが高い傾向にあります。
ネイティブトークンは値動きが激しく、特に下落リスクが高く、それに伴うインパーマネントロスの直撃リスクも大きいでしょう。サービスローンチ直後に入れた場合、上昇はよくて数日が関の山。$CAKE のように経時的に価格が上昇する例は稀で、奇跡に近いとみる方が良いのではないだろうか。もちろん、プロダクトが十分に良い場合は除きます。
- APRは時間が経過すると下落する
この理由は時間経過に伴い多くのトークンでは発行枚数が増えることで流量が増えて下落することと、多くのイールドファーミングではTVLの上昇やトークンの発行枚数の抑制、トークン発行比率の変更などのAPRを低下させる要素が時間経過に伴って増えてくるためでしょう。
以上を踏まえれば、リスク管理にかける時間が相対的に少なく、下落リスクが少ない手法は
ステーブルコインでファーミング、得られたトークンは即売り
であると私は考えます。ただし、この戦略を過剰にとればそのファーム自体の収益性を損なう可能性もあり、最悪の場合、当該ファームがつぶれたりラグるリスクを誘導することにもつながります。持ちつ持たれつの関係性を考えれば、この戦略だけ続けることが長期的に望ましい結果をもたらすとは限りません。
もちろん、トレードのセンスがあって売り時を見極められる人はファームしたトークンを売り時を見計らって売る方がより利益は大きいでしょう。ただし、比較的困難な戦略ではあります。
こんなファームには手を出すな
a. 版権物を無許可で利用しているDEX
b. トークンやマスターシェフのコントラクトアドレスが公開されていない
c. 1トークンあたりの価格が高い
いずれも、rugリスクが高い傾向にあります。こういった評価を自力で調べるのが面倒な時に便利なのはrugdog でしょう。完全に鵜呑みにするのもよくないですが、参考にできます。
c について補足。発行するトークン価格を高く設定することで、TVLを高く見せる手法があります。かさ上げされているだけで実際に入っている金額が小さく、そのままラグる例があります。
こんなDEX は見どころがある
以下のようなファームは比較的価格が維持される傾向にあります。
A. そのチェーンの最初期のDEXである
一番最初であることが望ましいが、チェーンの盛り上がり次第では2, 3番目ぐらいまではこの効果を受ける傾向があります。DEXの数が少ないほど、取引手数料がそのDEXに入ってくるのがその理由と推測します。
B. VCが入っている
$DODO, $Dfyn 等のサービスは価格の下落が他のサービスに比べて限定的であった。
トークン価格の下落が一定程度であれば、APRの低下も一定程度に落ち着く傾向にあった。
一方で、APR自体も渋いものになる傾向があるので一長一短。
C. Buy back and Burnを行う
基本と言えば基本。定期的に運営が手数料の一部を使ってトークンを買い戻したり、破棄することで流通枚数を減らすことで価格維持に貢献することになります。
D. 過去に運営経験がある
過去にDefi を運営した母体が別のサービスを提供する場合があります。多くの場合、別のチェーンでの提供が多いです。過去の信頼を失わないためにラグることも少なく、運営経験から価格維持の手法を複数知って実行する可能性があります。
E. ファーミングしたトークンに使い道がある
基本的にトークンは売るために提供されるので、そのままでは価格維持が困難となります。しかし、他の使途が提供されている場合、ホールドしたり買い圧力が生じる場合もあります。IFOやゲーム、宝くじ(lottery)、バイナリーオプション の提供などがよく見られる例。この辺を全て実現している$CAKE チームはさすがですね。
変わり種だと、クレジットカードサービスとの接続が挙げられます。$ZEFI が該当します。しかし、それでも価格は徐々に下落しているように見受けました。
F. 技術力を示す証拠がある
Cでも記載したような、トークンの使い道を提供している場合はこちらに該当するケースも多い。他にも、複数チェーンでのファーミングやブリッジの提供、独自UI、複利用のvault の提供等があります。
なお、これらは「提供予定」の段階で信頼するのは禁物。coming soon が永遠に続く例は枚挙にいとまがありません。
G. TVL が高い
どの程度、そのプロダクトが信頼されているかの参考となるでしょう。TVLこそが至高の指標と見る意見もあるくらいです。一方で、チェーンごとに流通している資金量が異なるのでTVL の目安が異なってくるなど、難しい面もあると感じます。やや上級者向けの指標な印象です。
H. 有名なDEX のフォークである
具体的に言えば、Uniswap やPancakeswap のフォーク(コピー)は馬鹿にできません。新規に稼働したDEX は資金効率の最適化が弱い場合や、セキュリティに脆弱性を含む可能性があります。たとえ十分に監査を受けていたとしてもです。その点、稼働実績のあるDEXがチェーンの初期のDEXとして登場する場合は、一定の利便性と信頼を置いてよい場合があります。例えばpolygon チェーンのDfyn はUniフォークですが、複数のDEX と提携しながら独自の発展を遂げています。
なお、BSC で一時pancakeswap のフォークが魔界化して大量に出回ったために悪印象が先行しているように感じます。実際に魔界化したpancakeフォークには危険なものも多かったです。あくまで他の要素に準じて判断する指標と考えるのが望ましいでしょう。
他にも、アンチホエール機能があるかを確認するのもよいでしょう。大口による急落だけでなく、理論上はフラッシュローン攻撃に対しても耐性があると思われます。
終わりに
流動性提供による報酬を忘れてはいけません。流動性イールドファーミングの派手なAPRに目が行って忘れがちですが、より実需を伴った報酬が得られます。ファーミングはガバナンストークンを通じた信用創造によって膨らんだ数字に過ぎません。バブルがはじければ消えますが、流動性提供報酬はある程度残るでしょう。こちらを重視するほうが、より堅実かもしれません。
いかがだったでしょうか。今後の皆様のDeFiライフの参考になれば幸いです。
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仮想通貨を守る最高のセキュリティとは?〜コインゲッコーより|暗号資産(仮想通貨)の将来の可能性〜初心者からの運用方法
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補足
*1: 私が試したDeFi のうち、記憶しているものを挙げると
王道:Pankcakeswap, Uniswap, QuickSwap, DODO, sushi, Pangolin, Raydium, Beefy, Curve, MDEX
中堅:Bakeryswap, SwampFinance, ZEFI, CubFinance, Dfyn, Viperswap, Ref.Finance, Trisolaris, Standard, PolkaEX, KACO, MonoX
魔界 :CCAKE, Coral, Neon, PZAP, Polycat, IRON Finance, Augury Finance, Blueswap, ProtoFi, DGOLD
計32 のDEXを触っています。
